・下半身はプールの底に接触しない。
・水は空気の約800倍の密度。
・水中ランニング(Deep-Water Running : DWR)は競技特異的な優れたワークアウトを提供。
○なぜ水中ランニングなのか?
- 陸上では下半身の関節に大きな負荷。
- 疲労骨折・腱炎・肉離れなどオーバーユースによる障害が引き起こされる。
DWRをプログラムの一部に組み込むことにより、高負荷トレーニングによる関節ストレスを効果的に軽減。
- リハビリテーションの手段として有効。
- 過度な休息・デイトレーニングを避ける事が可能
- 有酸素性運動能力・酸素活性・毛細血管密度に対し有効。
- DWRはトレーニング休止の2-4週間後に始める。
○必要な用具
- 選手が水面上に顔を出して垂直な姿勢を保つ体感の周りに付ける浮上ベルト。(柔らかく柔軟性に富み、発水性の発泡プラスチック)
- 弾性コード(プールスペースの問題、負荷とアライメント維持に)
○水中ランニング技術
・水の抵抗によりランニング技術は幾分扱いにくいが、練習により陸上との技術差はほとんどなくなる。
- 水中での股関節を約45-70°屈曲(膝を曲げた状態)
- 腕の動作は強調しない。
- 両手の手の平は閉じた状態。内側に向けた状態。(水を掻くのではない)
DWRは陸上ランニングとは異なる筋活動を生み出す。
水の力学的特性で上半身の筋質量をより大きく利用を促し、ヒールストライク相やプッシュオフ相の欠如により下半身の貢献を大きく低下させ結果、有酸素性的要求が大きくなる。
○パフォーマンスの維持
・持久力競技選手を用いた研究ではパフォーマンスの維持に非常に有効である。
○トレーニング強度
- 胸以上の水深では一回拍出量が増大し、DWR運動中の心拍数(HR)が低下。
- 最大下強度では陸上ランニングより約10-12拍低くなる報告。
- DWR,の慣れ、テクニックの変化、水温、エクササイズプロトコルの違いの要因が差異に影響。
- HRモニタリングはDWR強度を決める効果的方法。
- 主観的運動強度(RPE)を評価可能。
- Brennnanスケール
- 非常に軽い(1=回復走)
- 軽い(2=長距離の定常走)
- ややきつい(3=レースのスピードでランニング)
- きつい(4=400-800m走)
- 非常にきつい(5=100-200m走)
・HRモニタリング・主観的運動強度(RPE)・Brennnanスケールの上端強度で週2-3日練習で、有酸素的パフォーマンスを維持するのに必要な刺激が得られる。
○まとめ
・DWRは陸上の効果的代用トレーニング。
- 高負荷トレーニングによる緊張から一時的に息を抜くことができる。
- 障害時・オフ時にパフォーマンスを維持する手段として有効的。
- VO2max・換気性閾値・ランニング効率といったランニングパフォーマンスの変数はDWRを通して維持。
0 件のコメント:
コメントを投稿