インピジメントを抑えながら棘上筋を鍛えるエクササイズは
フルカン(full can)エクササイズを推奨。
○フルカンのテクニック
- 親指を上に向けながら腕を肩甲平面上で挙上
- 腕を挙上する前に肩甲骨を引き寄せておき、動作全体を通じ姿勢を維持
- 腕は下降開始前に90°まで挙上
- 棘上筋を効果的に鍛え、肩峰下腔の狭小化を抑え機械的圧迫の増大とインピジメントの助長を防ぐ。
○目標
- 運動中の疲労による上腕骨頭の上方移動を防ぐために筋持久力と筋力強化である。
○プログラム
- 3-5ポンド(約1.4-2.3kg)
- 10-15レップ
- 2-3セット
○器具
- ダンベル
- エラスティックバンド
○受傷時
- 肩関節受傷時は痛みを感じずエクササイズを行える程度まで負荷を減らす。
エンプティカンよりフルカン・エクササイズを用いる理由
○エンプティカン(empty can)
- 肩関節の内旋を保持しながら腕を肩甲平面上(前額面30°前方)で90°挙上動作。
- エンプティカン(empty can)はフルカンに比べ三角筋が過剰に活動。
- 棘上筋の活動に比べ三角筋の活動量が過剰になると、上腕骨骨頭の上方移動と肩峰下腔の狭小化が生じる。
- 肩甲骨の位置によって肩峰下インピジメントが生じる場合もある。
- 肩甲骨は前方へ引き出すと内旋して前傾し、肩峰下腔を狭小化。
○エンプティカン修正エクササイズ
- 肩甲平面上での挙上角度30°または60°が提案
- しかし、挙上角度30°または60°としたほうが骨頭に加わる力が上向きになり、骨頭の上方移動を招きインピジメントを引き起こす可能性。
- 挙上角度30°または60°に留めてもエンプティカンで生じる肩甲骨の内旋と前傾はフルカンを上回る。
○フルカン修正エクササイズ
- プローン・フルカンエクササイズ(関節外旋100°水平外転)
- 最近の研究では、プローンフルカンにおける棘上筋の活動はエンプティカンとフルカンに比べ同等または小さいという結果。
- フルカンに比べ三角筋中部の活動増大、骨頭の上方移動と肩峰下腔の狭小化が生じる。
詳細・エビデンスは専門職まで
(引用STJ Oct 2013 Vol20 Num8 p61-p63)
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