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2020年11月16日月曜日

暑熱下でランニングパフォーマンスを向上させる暑熱順化

熱ストレスに曝されると

  • 内部体温が上昇
  • 皮膚温度が上昇し血流量が増加
  • 発汗による水分喪失のため中心血液量が減少
  • 心拍数が増加
  • 最大心拍出量が減少
  • パフォーマンスの低下

暑熱順化を行うと

  • 内部体温が低下
  • 発汗量が増加し皮膚温度の低下と血流量の減少を助ける
  • 血漿量が増加し中心血液量の維持を助ける
  • 心拍数が減少
  • 最大心拍出量が増加
  • パフォーマンスの向上

暑熱順化達成には3つの重要な刺激を繰り返し曝す必要

  • 内部体温の上昇
  • 皮膚温度の上昇
  • 皮膚表面の汗の生産

職業環境で開発された暑熱順化

  • 温暖・暑熱環境で屋外ランニングで自然順化
  • 温暖環境で断熱ウェアを重ね着(厚着)で暑熱順化の恩恵


〇比較的寒冷な環境で高強度トレーニングを行っているアスリートは、これら3つの刺激に定期的に曝されてる可能性が高い「ある程度の暑熱順化」をすでに経験してる可能性

  • 鍛錬されたランナーは5日間で暑熱順化による体温調整効果を得る
  • 鍛錬されていないランナーは7-14日間の暑熱順化機関を必要


〇暑熱順化は競技会前のテーパリング期に実施されることが一般的

〇テーパリング期のアスリートに過度のストレスになる

受動的な暑熱順化方策

  • 運動直後の深部体温が上昇している状態でサウナや温水浴などの受動的な暑熱順化を実施

  1. 温暖環境で40分間のトレッドミルランニング直後に6日連続で温水浴で熱耐性が向上し血漿量が増加
  2. 運動後に湿式サウナを3週間利用でシミュレーションパフォーマンスが向上し特に血漿量の増加



(Vol 27, Num 8, Oct 2020, p33-34)

2020年6月11日木曜日

積極的回復と消極的回復

積極的回復
 回復手法 推奨される実施方法 継続時間
 低強度有酸素運動 12分間の最大下強度65%のランニング>10分間
 ストレッチング ハムストリングス、大腿四頭筋、腓腹筋、および
内転筋群のストレッチングを左右各3×30秒間
 12分間

消極的回復
  回復手法 推奨される実施方法 継続時間
 全身振動 重畳振動刺激を加えながら
下肢のストレッチングとマッサージを2×60秒間
 >5分間
 冷水浴 水温10-15℃で8-10分間または4×4分間
腸骨棘の深さまで浸水
 5-10分間
 神経筋電気刺激 周波数1Hz、電流27mA、パルス幅140マイクロ秒
目に見える筋収縮を引き起こす強度で20分間
 20分間
 コンプレッションウェアトレーニングや試合の実施中または実施後に
コンプレッションタイツを着用
 次の
トレーニング
セッションまで



(Vol 27, Num 2, Mar 2020, p36)

2019年7月22日月曜日

ファンクショナル・ムーブメント・スクリーニング:FMS

FMS : Functional Movement Screening

  • 非接触性傷害を受傷しやすい、運動の非対称性や欠点を識別する検査。


  1. 傷害の最良予測因子
  2. 信頼性の高いスクリーニング手法
  3. 改善策を備えた断層化されたリスク管理プロフィールを作成

スクリーニング・エクササイズ

  • ディープスクワット
  • ハードルステップ
  • インクラインランジ
  • ショルダーモビリティ(+疼痛確認テスト)
  • アクティブ・ストレートレッグレイズ
  • トランクスタビリティ・プッシュアップ(+疼痛確認テスト)
  • ロータリースタビリティ(+疼痛確認テスト)

テストごとに0-3点の評価点を与える
0点:運動中の痛み
1点:アスリートがその運動を行なえなかった
2点:代償運動を用いて運動を行なえる
3点:正しく運動を行なえる

  • 先行研究:スコア14点以下の場合は傷害リスクが予測できることが示唆。

介入の断層化を推奨
a)アクティブ・ストレートレッグレイズまたはショルダーモビリティ
b)ロータリースタビリティまたはトランクスタビリティ・プッシュアップ
c)ディープスクワット、インクラインランジまたはハードルステップ

  • この順でこの方法をとる根拠は、より統合的な運動パターンを用いる前提として、個々の可動域やより低いレベルでの安定化が必要とされるからである。


Vol 26, Num 5, June 2019 p19-p22

2018年3月19日月曜日

姿勢・呼吸の評価と呼吸運動

姿勢・呼吸の評価と呼吸運動


横隔膜
・呼吸筋・姿勢保持筋・括約筋
・横隔膜が平坦化(下部肋骨外旋位)では姿勢筋として働く
・呼吸筋として働かせるにはZOAの獲得が必要


ZOA (Zone Of Apposition)
・横隔膜が形成する胸郭内のドーム型の可動範囲(腱中心から肋骨緑までの範囲)
・ZOAが保たれると呼吸筋として働きやすくなる
・保たれないと姿勢保持筋として働きやすくなる
・ZOAの保持には腹部筋(特に内腹斜筋、腹横筋)が大切(胸郭のニュートラル化)


IAP(腹腔内圧)
・IAP(腹腔内圧)は脊柱安定化に必要
・横隔膜と腹部、腰椎部、骨盤帯の筋群の共同収縮によって作られる


胸郭運動と骨盤帯
⇓ZOAの収得・横隔膜降下
⇓IAPが高まりやすくなる
⇓胸・腰椎の圧迫解放のため骨盤低筋群が降下
⇓骨盤が後傾しやすくなる(インレット腸骨内転・座骨外転)


呼吸への介入による変化
①姿勢変化
 ・インナーユニットの機能改善
 ・反り腰・スウェイバック・猫背改善
②動作変化
 ・重心変化
 ・体幹部のスタビリティ・モビリティー変化
 ・リポジション・可動域改善
③神経系の変化
 ・副交感神経優位にして緊張改善
 ・PHの調整(ホメオスターシス)


関節運動の表現と考え方
FA=寛骨に対して大腿骨が動く
AF=大腿骨に対して寛骨が動く
ST=肩甲骨が胸郭上を動く
TS=胸郭が肩甲骨上を動く
GH=関節窩が上腕骨に対して動く
HG=上腕骨が関節窩に対して動く
IR=内旋
ER=外旋


胸郭運動と上肢運動
・前鋸筋
 ・肋骨下部の外旋・肋骨上部の内旋
 ・胸椎の屈曲
・僧帽筋下部
 ・胸椎の屈曲
 ・広背筋の抑制
・大胸筋
 ・胸骨と胸郭の前方・側方移動


胸郭運動不全で起こるメカニズム
・リブフレアによる胸郭過外旋位
 →胸郭を内旋位にする運動が必要
・胸郭過外旋位→胸郭上部の拡張不全
 →呼吸による拡張が必要
・胸郭可動域不全→腰部伸展の代償増加
 →肩関節障害と腰部障害の増加


呼吸評価
・座位・仰臥位(ぎょうがい)
・背臥位(はいがい)


呼吸へのアプローチ
・仰向けIAP呼吸
・3Mポジション呼吸(ウォール)
・クロコダイルブリージング
・サイドライイング
・1stポジション
・ベリーリフト


呼吸と動作(リポジション・エクササイズ)
・サイドライイング・ライトグルーツマックス
・サイドライイング・レフトアダプタープルバック
・90-90ライトグルーツマックス(右足前進)
・サイドライイング・ライトエイピカル
・サイドライイング・エクスパッション
・ウォール・サポーテッド・レフトニ―フレクション
・ウォール・レジステッド・ライトグルーツマックス


呼吸と動作(肩甲・胸郭ー腹部ー股関節の統合と文節運動)
・オールフォーエクササイズ
・スイマー
・サイドオブリーク
・サイドオブリーグ・ツイスト
・スキャプラプッシュ
・キャット・エクササイズ
・ショルダーブリッジ
・ロールダウン&ロールアップ


代償動作の改善(股関節の屈曲・伸展、胸椎の屈曲・伸展、胸椎の回旋・胸郭運動)
・ロッキング・エクササイズ
・ニーリング・エクササイズ
・ローリングライクアボール
・ニーリングサイドキックス
・リバースプランクwithリーチング


トレーニング指導時のポイント
・腰部での代償運動に注意
 →股関節のヒンジ動作+胸椎伸展
・抗回旋&回旋動作の代償に注意
 →股関節AF・IR動作+胸椎回旋・胸郭運動


参考:NSCA-J 甲信越ADセミナー 18/MAR/2018 SUN
JASA-AT 嶋田 進  腰部障害に対する評価とコンディショニング ‐腰部骨盤帯・呼吸運動・姿勢 総合的コンディショニング‐

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PRIとDNSのコンセプト

2017年1月3日火曜日

女性アスリートの三主徴症候群

女性アスリートの三主徴症候群


女性アスリートは食事行動の異常、月経障害、低骨密度、負のエネルギーバランス、相互関連のある他の健康問題リスクが高いことを示している。
これらの健康上における問題の一部は、心臓血管系の危険因子の増加やホルモンバランスの異常、筋骨格傷害、スポーツパフォーマンスの低下などをもたらすことがある。


◌女性アスリートの三主徴症候群
  • 食行動の異常(DE : disordered eating)を伴う場合も伴わない場合もある、利用エネルギー(EA : energy availability)の低下、月経不順、低い骨密度(BMD : bone mineral density)が合わさった症候群。
  • 健康的なレベル(最適EA、正常で定期的な月経周期、適切なBMD)から不健康なレベルまで広範囲にわたり症状が認められ、各主徴の臨床症状が徐々に悪化する。
(2007,American College of Sports Medicine:アメリカスポーツ医学会より)


最新研究)
6ヵ月の炭水化物ータンパク質の補給(1日360kcal,1日54gの炭水化物と20gのタンパク質)による介入が、エネルギー状態を改善し、運動に関連した月経障害を正常な状態に戻すために十分であると証明。


  • 1日に300~500kcal余分に摂取することが勧められる。
  • アスリートが炭水化物の摂取のタイミングを明確に守ることよりも、1日を通して炭水化物摂取量を満たす十分な量を摂取することが筋の増大を最大化する。


栄養素の機能
栄養素
機能
炭水化物
(糖質)
運動中の筋と中枢神経にエネルギーを供給し、脂肪の代謝を助け、タンパク質がエネルギーとして使われることを防ぐ。炭水化物は短縮性筋活動と生物学的機能にとって望ましいエネルギー源である。
タンパク質
細胞内のあらゆる活動の大部分を担い、身体組織と器官の構造と機能および調節に必要である。アミノ酸の長い鎖で構成される。
脂質
ビタミンA,D,E,Kなどの脂溶性ビタミンの吸収を助け、それらの運搬に必要である。利用可能なエネルギーが不足したときにエネルギーに変換される。
水分
細胞、器官および組織における温度調整と身体機能の維持を助ける。ミネラル、ビタミン、グルコースなどの栄養を細胞にいきわたらせ、組織から毒素を除去して尿や糞便として排泄する。水分は呼吸や発汗、消化作用により失われやすい。
身体的、認知的パフォーマンスを維持することに不可欠なタンパク質と酵素の作用を補助する。鉄は主にヘモグロビンやミオグロビンなどのタンパク質に結合して、酸素の運搬や保存の役割を担っている。ヘモグロビン濃度が低下すると最大酸素摂取量も低下する。
カルシウムと
ビタミンD
これらの微量栄養素は骨の健康のために重要。どちらの微量栄養素が不足しても骨のミネラル化が損なわれる。カルシウムは食物またはサプリメントから摂取しなければならないが、ビタミンDは食物源からも摂取される一方、太陽の紫外線に反応して皮膚でも合成される。

体重を減らすための栄養に関する推奨事項

項目
推奨事項
目標設定
1週間で1~2ポンド(450~900g)程度の減量が勧められる。
カロリー制限
1週間に体脂肪を1ポンド(450g)減らすためには、1日500カロリーの制限で十分である。
カロリー消費
余分なカロリーを燃焼することは体脂肪を減らすもうひとつの有効な方法である。カロリー消費量を1日当たり200~500カロリー程度増やすことは、健康に有害な影響を及ぼすことなく、なおかつ減量を達成できる十分なカロリー低下をもたらす。
大量栄養素の摂取

鉄の摂取

カルシウム/ビタミンDの摂取
1日に2,000mgのカルシウムと800mgのビタミンDを補給で、ストレス骨折の発生件数が20%減少。
水分




(Vol 23 Num 8 oct 2016 p16-p22)

注意集中:マインドーマッスルコネクション

注意集中:マインドーマッスルコネクション


注意集中(Attentional Focus):マインドーマッスルコネクション(The Mind-Muscle Connection)は所定の運動や活動を行なう際に何について考えているかの意味。


◌内的集中(internal focus)と外的集中(external focus)


e.g.,スクワットにおける
内的集中は「上げる動作中、殿筋群を引き締める」
外的集中は「身体から遠ざけるように床を押す」


◌内的集中(internal focus)
  • 運動中の人が自分自身の動きについて考えること。
  • 目標が筋肥大の場合は内的集中がより優れた方法。
  • 運動中の標的となる筋を思い浮かべ神経の興奮を意識的にその筋に向ける。
  • 最大限まで筋を活性化し筋肥大を目指す標的の筋群自体に注意を集中(比較的軽い負荷でトレーニングをする場合に特に有益)


◌外的集中(external focus)
  • 運動中の人が身体外部の環境に注意を向ける。
  • より良いパフォーマンスを目指す課題には外的集中を取り入れることにより最適化。
  • より大きな発揮筋力と筋活動の減少に伴い運動効率が向上。
  • 競技系アスリートが1RMを達成しようとする場面や最大筋力や最大トルクを発揮しようとする場面。



(Vol 23 Num 6 Jul 2016 p22-p24)

2016年10月9日日曜日

サッカーのミニゲーム

サッカーのミニゲーム

サッカーのミニゲームを利用して有酸素性能力と無酸素性能力を向上させる方法

○タスク制限を利用して生理学的刺激を与える
  • ゲーム形式
  • フィールドサイズ
  • タスク制限
  • ゴールキーパーの有無
  • 選手1人当たりのボール接触回数の制限
  • 中立選手の参加
  • コーチの掛け声

・目標のHRmaxと血中乳酸濃度の数値が超えてしまうのを避けるために1ゲーム当たりのブロック数やレップ数を考慮する。

○有酸素性トレーニング

○短時間の高強度持久系トレーニング

  • >90% HRmax でインターバルワークアウトが最も効果的
  • 血中乳酸濃度5-8 mmol/ L

  • 持続時間2-6分
  • レップ数5-8
  • 回復時間1-3分 (運動:休息=1:0.5)
  • 量10-30分

  • ブロック数1-2
  • ブロック間の休息5-6分

  • 1対1、2対2、3対3
  • ボールとの接触制限あり
  • ゴールキーパーなし
  • フィールドサイズ大 (1対1では15×25m、2対2では20×25m、3対3では18×30m)
  • コーチの掛け声あり

○長時間の高強度持久系トレーニング

  • 85-90% HRmax
  • 血中乳酸濃度3-4 mmol/ L

  • 持続時間5-15分
  • レップ数4-5
  • 回復時間 1-2分
  • 量30-40分

  • ブロック数1-2
  • ブロック間の休息4-5分

  • 4対4、5対5、6対6
  • ボールとの接触制限なし
  • ゴールキーパーあり
  • フィールドサイズ中 (4対4では20×30m、5対5では25×35m、6対6では30×40m)
  • コーチの掛け声なし
  • チームメイトとの連携が必要な活動を増やし戦術的プレーの質を高める事を重視

○無酸素性トレーニング

  • >85% HRmax
  • 血中乳酸濃度 >8 mmol/ L

  • 持続時間30秒-3分
  • レップ数4-8
  • 回復時間 30秒-3分 (運動:休息=1:1)
  • 量4-16分

  • ブロック数 2-4ブロック
  • ブロック間の休息時間3-5分

  • 1対1、2対2
  • ボールとの接触制限あり
  • ゴールキーパーなし
  • フィールドサイズ小 (1対1では5×10mまたは10×15m、2対2では10×15mまたは15×20m)
  • コーチの掛け声あり


Vol 23 Num5 Jun 2016p56-p66