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2017年10月9日月曜日

持久力と筋力トレーニングまたは持久力とプライオメトリックス

持久力と筋力トレーニングまたは持久力とプライオメトリックス

筋力トレーニングと持久力トレーニング

○干渉作用
筋力と持久力の同時トレーニングを実施した場合には、筋力の向上効果は抑制されるが、持久力パフォーマンスには悪影響が生じない事が明らかになっている。

現在、有酸素性能力(>70ml / kg / minのVO2max)を有するランナーを被験者にした調査した研究は実施されていないので、このレベルのランナーに対して有益な効果をもたらすか否かは不明。

○筋力トレーニング
  • 2-3/週
  • 下肢のエクササイズ3-8種目
  • >85% 1RM
  • 3-8レップ
  • 3-4セット


プライオメトリックスと持久力トレーニング

○プライオメトリックス
  • 2-3/週
  • 3-8種目
  • 自重負荷
  • 5-10レップ
  • 3-5セット

干渉作用を避けるため、大量のトレーニング(>週80km)を実施しているランナーは、ランニング量が減る傾向にあるトレーニング期間の最初と最後の4-6週間に筋力トレーニングまたはプライオメトリックストレーニングを組み込むとよい。


(Vol 24 Num 8 Oct 2017 p37-p44)

高地(低酸素)トレーニング

高地(低酸素)トレーニング

ヘモグロビン量を増やし最大酸素摂取量を増加させるための高所滞在要件

○滞在高度と期間
  • 標高2,000-2,500mで滞在時間22時間/日以上
  • 標高2,500-3,000mで滞在時間12-16時間/日以上
  • いずれも滞在期間4週間以上

高所滞在による総ヘモグロビン量1%の増加は最大酸素摂取量を0.6-0.7%の増加をもたらす。

○その他
  • 3泊4日の高地トレーニングで効果ありの報告


(Vol 24 Num 8 Oct 2017 p3-p4)

2016年10月14日金曜日

ビーツジュース

ビーツジュース

ビーツ(BR : Beetroot)ジュース
血漿硝酸塩濃度を高め、血行動態を変化させる。
例えば自転車などの有酸素性パフォーマンスを改善させることがしめされている。

・ビーズ(BR)ジュースには陰イオンと硝酸塩(NO₃⁻)が豊富に含まれ
唾液で濃縮されて消化管から急速に吸収される。
硝酸塩は舌の上のバクテリアに口腔内で効率的に亜硝酸塩の還元されるため
唾液中の亜硝酸塩濃度は血漿中と比較して1,000倍も高くなる。
亜硝酸塩を含む唾液を飲み込み続けると
一酸化窒素(NO)を含む各種の窒素酸化物が生成され
それらが生物学的活性を有する分子に変換される。
亜硝酸塩は胃でもアミノ酸のL-アルギニンによってNOに変換され
その一部は吸収されて
血漿中の循環亜硝酸塩を増加させることは明らかである。
この経路は運動状態で低酸素分圧とアシドーシス(酸性血症)が起こると促進される。

・活動中の筋が酸素を受け取る量が少なくなった場合
あるいはより多くの酸素を消費している場合に
血中NOが増加して
周辺の血管の末梢抵抗を減らし
血管の拡張を促し
活動部位への血流を増大させると思われる。
このような末梢血管抵抗の減少が血圧の低下につながっているといえる。

BRジュースの形態で摂取される有機硝酸塩は
安静時の収縮期と拡張期血圧を一時的に低下させる効果があると示されている。

8日間のBR補給後にみられる心臓血管系に対する最大の影響は
全末梢抵抗の指標である拡張期血圧に及ぼす効果であり
その低下は活動中の筋への酸素供給の増加をもたらす可能性がある。

○有酸素性パフォーマンスに対する急性効果
  • 長期間の補給によるパフォーマンス向上の可能性を示唆。
  • BPは疲労耐性の向上をもたらし、トレーニング量の増加させ、その結果、パフォーマンスに利益をもたらすと考えられる。
  • 定期的にBRを摂取している間は、セッション中の運動量や運動強度が増加するため、BRの摂取がトレーニングに対してより大きな適応をもたらすと推測。

○レジスタンストレーニングに対するBRジュースの効果
  • 仮定:毎日BRジュースを摂取している間に筋持久力トレーニングを行うと、BPが疲労の開始を遅らせるためにトレーニング量が増大し、したがって、トレーニング刺激の増加を伴い適応反応も増えると思われる。

○摂取
  • 1日に500mlのビーツ(BR)ジュース(11.2 ± 0.6mmol または5.2mmol の硝酸塩を含む)
  • 確実かつ連続的に摂取するプロトコルを用いる
  • 硝酸塩は6日から8日でピーク値に達する(1)

血漿硝酸塩濃度に対するBRジュースの急性効果
  • トレーニングまたは試合のおよそ2.5時間前にビーツジュースを摂取することが推奨(2)

  • 硝酸塩を含む物質を大量に長期間使用することに関して注意が必要。(3)


(1)5日間のBRジュース摂取した場合には、血漿硝酸塩濃度が25%上昇し、15日間の摂取したあとは46%上昇。
(2)500ml のBRジュースが、摂取後2時間半で血漿硝酸塩量を39%増加させ、摂取後3-5時間で濃度がピークに達する。
(3)特に他のエルゴジェニック物質と組み合わせた場合の大量摂取については、安全性はまだ確立されていない。


Vol 23 Num 6 Jul 2016 p51-p54

2015年6月3日水曜日

ベアフット・ランニング Barefoot Running

ベアフット・ランニング Barefoot Running 裸足のランニング
ミニマリスト・シューズ・ランニング Minimalist Shoes Running 軽装の機能を最小限に留めた靴
シューズ・ランニング Shoes Running 技術の進歩で衝撃吸収性と動作制御性の向上を有したシューズ

主唱者らはベアフット・ランニングで祖先の走り方へ戻る事がランニング関連の傷害を減らす可能性があるとみている。

ベアフット・ランニングとシューズ・ランニングの差異

ベアフット・ランニング
シューズ・ランニング
接地初期
足中央部ー前部による接地
足後部(踵)による接地
ストライド長
短い
長い
ストライド頻度
高い
低い
固有感覚
足で接地することにより向上
シューズによって妨げられるため低い
足の保護
無し
有り
足の制御
筋組織により内在的
シューズの安定性により外在的


ベアフット・ランニング・プログラムの漸進例
1-4週
下肢の準備運動:週に2-3回
ウォーキングを含めたベアフット運動:毎日30分
5-6週
ベアフットランニング1/4ー1マイル(約400-1.600m):週2-3回
芝やゴム舗装のサーフェイスで
7-8週
ベアフットランニング10%増加させ1/3ー5/4マイル:週2-3回
芝やゴム舗装のサーフェイスで
9週以後
ベアフットランニングさらに10%増加させて1/2ー3/2マイル:週2-3回
希望に応じて滑らかに舗装されたサーフェイスで



(Vol 22 Num4 May 2015 p50-p58)

2014年8月24日日曜日

筋肥大レジスタンストレーニングのセット間の休息時間に行う低有酸素性運動

筋肥大レジスタンストレーニングのセット間の休息時間に行う
積極的回復に関する研究)

休息時間中の低強度運動は、その後のセットとワークアウト全体の運動力学/運動力学的要素を強化する可能性を示唆。

・運動/休息時間の強度と長さ
・運動/休息時間の総数(セッション全体の長さ)

・1レップあたり3-4秒で10レップ
・最低種目6-8種目のエクササイズ
・セット間の休息時間(1回当たり60-90秒)

・セッション全体の継続時間は最低60分
・セッション全体の回復時間は約20-40分

○筋肥大レジスタンストレーニングのセット間の休息時間に行う低有酸素性運動の予想される有益な効果
  • 力学的効果
  • 筋温を最適化して発揮される力と速度を増大。 
  • 筋の弾性を高めて仕事量(力×距離)、力学的効率(エネルギー代謝回転速度と力学的出力)をたかめる。
  • 代謝への効果
  • 乳酸クリアランスとエネルギー補充の速度を高める。
  • ホルモンへの効果
  • 同化ホルモンの総生産量を増加させる。
  • 神経への効果
  • 運動単位の動員、発火頻度、同期と反射の増強効果、相乗的寄与、拮抗筋の共縮を向上。

○回復と適応の促進効果が期待できるセット間のエクササイズ例

・下肢
  • 自転車エルゴメーター
  • トレッドミル・ウォーキング
  • ステアステッパー
・上肢
  • ロウイング
  • アームエルゴメーター
・上下肢
  • エリプティカルトレーナーのスキー動作

健康全般にもたらす有益な効果として、カロリー消費の増加、サーキットトレーニングと同様の心臓血管系トレーニング効果が考えられる。

・推奨強度
  • 50-60%最大心拍数の心拍数反応
  • Borgの主観的運動強度(RPE)スケール15段階中の6-11。


(Vol 21,Num 7, Aug/Sep 2014 p26-p31)

2014年2月16日日曜日

水中ランニング

・場所はスイミングプール飛び込みエリアで行う。
・下半身はプールの底に接触しない。

・水は空気の約800倍の密度。
・水中ランニング(Deep-Water Running : DWR)は競技特異的な優れたワークアウトを提供。

○なぜ水中ランニングなのか?

  • 陸上では下半身の関節に大きな負荷。
  • 疲労骨折・腱炎・肉離れなどオーバーユースによる障害が引き起こされる。

DWRをプログラムの一部に組み込むことにより、高負荷トレーニングによる関節ストレスを効果的に軽減。

  • リハビリテーションの手段として有効。
  • 過度な休息・デイトレーニングを避ける事が可能
  • 有酸素性運動能力・酸素活性・毛細血管密度に対し有効。
  • DWRはトレーニング休止の2-4週間後に始める。

○必要な用具

  • 選手が水面上に顔を出して垂直な姿勢を保つ体感の周りに付ける浮上ベルト。(柔らかく柔軟性に富み、発水性の発泡プラスチック)
  • 弾性コード(プールスペースの問題、負荷とアライメント維持に)

○水中ランニング技術

・水の抵抗によりランニング技術は幾分扱いにくいが、練習により陸上との技術差はほとんどなくなる。

  • 水中での股関節を約45-70°屈曲(膝を曲げた状態)
  • 腕の動作は強調しない。
  • 両手の手の平は閉じた状態。内側に向けた状態。(水を掻くのではない)

DWRは陸上ランニングとは異なる筋活動を生み出す。
水の力学的特性で上半身の筋質量をより大きく利用を促し、ヒールストライク相やプッシュオフ相の欠如により下半身の貢献を大きく低下させ結果、有酸素性的要求が大きくなる

○パフォーマンスの維持

・持久力競技選手を用いた研究ではパフォーマンスの維持に非常に有効である。

○トレーニング強度

  • 胸以上の水深では一回拍出量が増大し、DWR運動中の心拍数(HR)が低下。
  • 最大下強度では陸上ランニングより約10-12拍低くなる報告。
  • DWR,の慣れ、テクニックの変化、水温、エクササイズプロトコルの違いの要因が差異に影響。

  • HRモニタリングはDWR強度を決める効果的方法。
  • 主観的運動強度(RPE)を評価可能。
  • Brennnanスケール


  1. 非常に軽い(1=回復走)
  2. 軽い(2=長距離の定常走)
  3. ややきつい(3=レースのスピードでランニング)
  4. きつい(4=400-800m走)
  5. 非常にきつい(5=100-200m走)

・HRモニタリング・主観的運動強度(RPE)・Brennnanスケールの上端強度で週2-3日練習で、有酸素的パフォーマンスを維持するのに必要な刺激が得られる。

○まとめ

DWRは陸上の効果的代用トレーニング

  • 高負荷トレーニングによる緊張から一時的に息を抜くことができる。
  • 障害時・オフ時にパフォーマンスを維持する手段として有効的。
  • VO2max・換気性閾値・ランニング効率といったランニングパフォーマンスの変数はDWRを通して維持。



2012年12月8日土曜日

e.g.,オーバートレーニング・チェックリスト

グレテ・ワイツ選手(1953-2011)が使用した
有酸素性持久力トレーニングのオーバートレーニング予防チェックリスト。


グレテ・ワイツ選手(1953-2011)のオーバートレーニング予防チェックリスト(1986)

  1. 正常で快適なペースであるにもかかわらず息切れしてないか?
  2. ハードな練習やレースの後に、脚が重く感じる期間がいつもより長くないか?
  3. 昇り階段を特につらく感じるか?
  4. トレーニングに不安を感じるか?
  5. 朝の離床を特につらく感じるか?
  6. 食欲不振が持続しているか?
  7. 風邪、インフルエンザ、頭痛、感染症にかかりやすいか?
  8. 心拍数が通常より5-10拍ほど多いか?
  9. 運動中の心拍数は通常よりも多いか?


・この質問に3つ以上当てはまるとトレーニングを控えめにするべき。
・オーバートレーニングによる精神的な不安定は、自分よりも家族や友人が先に気づくことが多い。
・そのような場合「トレーニング内容を控えめにする時期がきたのではないか。」