ビーツジュース
ビーツ(BR : Beetroot)ジュース
血漿硝酸塩濃度を高め、血行動態を変化させる。
例えば自転車などの有酸素性パフォーマンスを改善させることがしめされている。
・ビーズ(BR)ジュースには陰イオンと硝酸塩(NO₃⁻)が豊富に含まれ
唾液で濃縮されて消化管から急速に吸収される。
硝酸塩は舌の上のバクテリアに口腔内で効率的に亜硝酸塩の還元されるため
唾液中の亜硝酸塩濃度は血漿中と比較して1,000倍も高くなる。
亜硝酸塩を含む唾液を飲み込み続けると
一酸化窒素(NO)を含む各種の窒素酸化物が生成され
それらが生物学的活性を有する分子に変換される。
亜硝酸塩は胃でもアミノ酸のL-アルギニンによってNOに変換され
その一部は吸収されて
血漿中の循環亜硝酸塩を増加させることは明らかである。
この経路は運動状態で低酸素分圧とアシドーシス(酸性血症)が起こると促進される。
・活動中の筋が酸素を受け取る量が少なくなった場合
あるいはより多くの酸素を消費している場合に
血中NOが増加して
周辺の血管の末梢抵抗を減らし
血管の拡張を促し
活動部位への血流を増大させると思われる。
このような末梢血管抵抗の減少が血圧の低下につながっているといえる。
・BRジュースの形態で摂取される有機硝酸塩は
安静時の収縮期と拡張期血圧を一時的に低下させる効果があると示されている。
・8日間のBR補給後にみられる心臓血管系に対する最大の影響は
全末梢抵抗の指標である拡張期血圧に及ぼす効果であり
その低下は活動中の筋への酸素供給の増加をもたらす可能性がある。
○有酸素性パフォーマンスに対する急性効果
- 長期間の補給によるパフォーマンス向上の可能性を示唆。
- BPは疲労耐性の向上をもたらし、トレーニング量の増加させ、その結果、パフォーマンスに利益をもたらすと考えられる。
- 定期的にBRを摂取している間は、セッション中の運動量や運動強度が増加するため、BRの摂取がトレーニングに対してより大きな適応をもたらすと推測。
○レジスタンストレーニングに対するBRジュースの効果
- 仮定:毎日BRジュースを摂取している間に筋持久力トレーニングを行うと、BPが疲労の開始を遅らせるためにトレーニング量が増大し、したがって、トレーニング刺激の増加を伴い適応反応も増えると思われる。
○摂取
- 1日に500mlのビーツ(BR)ジュース(11.2 ± 0.6mmol または5.2mmol の硝酸塩を含む)
- 確実かつ連続的に摂取するプロトコルを用いる
- 硝酸塩は6日から8日でピーク値に達する(1)
血漿硝酸塩濃度に対するBRジュースの急性効果は
- トレーニングまたは試合のおよそ2.5時間前にビーツジュースを摂取することが推奨(2)
- 硝酸塩を含む物質を大量に長期間使用することに関して注意が必要。(3)
(1)5日間のBRジュース摂取した場合には、血漿硝酸塩濃度が25%上昇し、15日間の摂取したあとは46%上昇。
(2)500ml のBRジュースが、摂取後2時間半で血漿硝酸塩量を39%増加させ、摂取後3-5時間で濃度がピークに達する。
(3)特に他のエルゴジェニック物質と組み合わせた場合の大量摂取については、安全性はまだ確立されていない。
Vol 23 Num 6 Jul 2016 p51-p54
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