格闘技選手のサプリメント利用
大多数の格闘技において、パワー、パワー持久力、有酸素性持久力、スピードなどの身体特性は、成功の必須条件。
特定のサプリメント摂取は、これらの身体特性を最大限まで高める可能性がある。
○長期的利用のスポーツサプリメント
- クレアチンモノハイドレード
- βアラニン
- HMB (βヒドロキシβメチルブチレート)
- プロテイン
○一時的利用法のサプリメント
- カフェイン
- 重曹(重炭酸ナトリウム)
○回復促進
- BCAA
○長期的利用のスポーツサプリメント
○クレアチンモノハイドレード
・典型的ローディング期
- クレアチン20g(体重1kg / 約0.3g / 日)を4等分し、1日4回およそ5日間投与。
・メンテナンス期
- 維持として毎日2-5g(体重1kg / 約0.03g / 日)を数週間から数ヵ月投与。
○βアラニン
βアラニンを1日に4-6.4gずつ28日間投与すると筋内のカルノシン濃度が60%高まる。
- 摂取量は1日に2.4-6.4g
- 1日の摂取量を少量ずつ2-4回に分けて投与。
e.g.
- 1日3.2gまたは6.4gを等量に分けて
- 1回に1.6gずつ4回 または 3.2gずつ2回投与。
・比較的少ない投与量を用いる理由
βアラニン補給における副作用である感覚異常(皮膚のヒリヒリ感、チクチク感、無痛感)を防ぐため。
急性の感覚異常の症状は一度に大量のβアラニンを摂取することが原因で起こる。
摂取後およそ1時間で消失する。
・βアラニン補給の影響の要約
βアラニンの補給は、60秒以上続く高強度エクササイズを複数セット行う場合や、すでに疲労した状態でシングルセットを行う場合など、筋内環境の極端な酸化をもたらす運動のパフォーマンスを改善できる。
だが酸化レベルが比較的低い状態での高強度エクササイズは、βアラニンの補給から利益を得るとは思えない。
○HMB (βヒドロキシβメチルブチレート)
- 摂取量は1日に3-6g
- 1日に3gを何回かに分けて投与
・トレーニング・プログラムを開始したばかりの選手、一時休眠から復帰した直後の格闘技選手は、HMB補給から利益を得る可能性。
・しかし、数ヵ月間トレーニングを行なった後のHMBを摂取しても格闘技選手の筋力強化になんら利益はない。
○プロテイン
現在のタンパク質の推奨栄養摂取量(RDA)は1日に体重1kg当たり0.8g。
活動的競技者の推奨栄養摂取
アメリカンスポーツ医学会
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1.2-1.7 g / kg / 日
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国際スポーツ栄養学会
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1.4-2.0 g / kg / 日
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ストレングス&コンディショニング協会
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1.5-2.0 g / kg / 日
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- 格闘技選手は1日に約1.4-2.0gのタンパク質を摂取することが推奨。
○一時的利用法のサプリメント
○カフェイン
カフェインの血漿濃度は摂取後約60分でピークに達する。
高強度トレーニングのおよそ1時間前にカフェインを摂取することが適切。
国際スポーツ栄養学会は用量に関して
低量から中程度の量(3-6mg / kg)を摂取した場合
カフェインは鍛錬者のアスリートの競技パフォーマンスを増強する効果があると述べている。
○重曹(重炭酸ナトリウム)
- 重曹の補給は0.3-0.49g / kgの投与
- 高強度活動の1-2時間前に摂取
・短時間の高強度エクササイズのパフォーマンスとトレーニングを向上。
・この投与量は下痢、吐き気、嘔吐などの副作用を伴う。
○回復促進
○BCAA
- 安静時およびレジスタンンスエクササイズ後の骨格筋において、翻訳開始(タンパク質の合成調整の重要段階)にかかわる様々な酵素を活性化することによって同化効果を有すると考えられる。
- レジスタンスエクササイズの後にBCAAを摂取することは、筋痛や筋損傷の知覚を改善することにより回復を促進する可能性が示されている。
Vol23 Num6 Jui2016 p38-p46
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