2015年10月25日日曜日

PRIとDNSのコンセプト

PRI (Postural Restoration Institute)
DNS (Develomental Neuromuscular Stabilization)


-PRIの呼吸とは
-DNSの呼吸とは


・両方踏まえたうえで、上手な呼吸の見つけ方を学ぶ
・ケーススタディーを考察しながらエクササイズを実践


キーワード
ZOA ⇒PRI      IAP ⇒DNS

横隔膜を最大限効率的に使うために
  • ZOAの獲得 (吐く、肋骨の内旋位の収得)
  • IAPの獲得 (吸う、腹腔内圧)




PRIとは?
  • 創設者 Ron Hruska (アメリカ ネブラスカ州)
HP有り https://www.posturalrestoration.com/japan/home
PRC/PRT 認定資格有り

・呼吸とは歩行 = Ron Hruska
身体の非対称性による姿勢の適応、多関節連鎖筋の影響力を呼吸を通して解き明かしていく学問。


DNSとは?
  • 創設者 Pavel Kolar (チェコ)
-Vojita,Janda,Lewit nado などの流れを組む


姿勢や運動制御を司る神経系が発達する最初の1年間を着目し、運動器系の機能不全を改善していく神経筋発達学に基づいたリハビリテーションの学問。


PRI


PRI (Postural Restoration Institute)


○ZOA = Zone of Apposition  =  PRI
横隔膜のシリンダーの様な動きと肋骨の向い合ってる方向のポジションの関係性を表したもの。
  • 吐き切った状態では表面上では約1/2を占める
  • 吸い切った状態ではゼロになる
  • 通常吸気時では表面上1/3から1/4を占める


・横隔膜の高さに影響されるというよりは、肋骨の歩行やポジションに影響されやすい。


○ZOAがある状態
  • 横隔膜が呼吸筋として活動しやすい状態


○ZOAが無いと
  • 横隔膜が姿勢維持筋として働く
  • 残気量の増加
  • 空気交換量の低下 (副呼吸筋の活躍)
  • 浅い呼吸、交感神経優位


○ZOAを収得するために必要な事
  • 横隔膜の形状に影響を持ち、横隔膜に対峙している筋肉
  • 肋骨の方向性・ポジションを決める筋肉
  • 前外側の腹部の筋群の働きが需要(内腹斜筋、腹横筋、外腹斜筋、胸横筋、etc)


DNS


DNS (Develomental Neuromuscular Stabilization)


○運動機能の成長3段階
1、脳幹レベル (新生児)
  • 原始反射
2、大脳皮質下レベル (-12ヶ月)
  • 矢状面の安定
  • 重力に反してサポート面を減らしていく
  • 四肢の役割分担 (サポート側とステップ側)
  • 関節セントレーション
3、大脳皮質レベル (2-3歳)
  • 実用的な動き
  • 選択的運動と包括的運動パターンの統合
  • リラクゼーション


IAP = Intra-Abdominal Pressure
  • 腹腔内圧を高める
  • 横隔膜と大腰筋のバランス。横隔膜と骨盤低筋のバランス。


コアとは?
  • ISSS (Integrated Stabilizing system of Spin)
  • 脊柱深層安定化システム?
  • 脊柱総合安定化システム?


Integrated Stabilizing system of Spin (ISSS) = DNS
  • 広義のコア=脊柱を深層でも表層でも安定させるシステム・筋肉群
  • シンプルな動作を行うにしても必要


○DNSの考える理想の呼吸
  • 肋骨の呼気ポジション
  • IAPが高まった状態
  • フィードフォワード
  • 関節セントレーション


PRI


○なぜ呼吸が大切なのか?
  • 呼吸は正常化されなければ、動作を正常化されないから
  • If breathing is not normalized no other movement patten can be.
  • 呼吸と動作は関係ある


○姿勢を正しなさい
姿勢 = 動作 ← 呼吸


○なぜ呼吸が大事か
  • 呼吸は12-20/分
  • 1日1.440分
  • 10回/1分 15.000回
  • 15回/1分 20.000回


○正常に呼吸できますか?
  • 呼吸の解剖学 (PRIより)
  • 呼吸の発達学 (DNSより)
  • 肋骨の運動学


  • PRIと左右非対称
  • DNSと赤ちゃん


○呼吸の解剖学
  • 横隔膜
  • 胸郭のインナーマッスル
  • IO/TA (内腹斜筋 / 腹横筋)


○横隔膜の役割とは?


・ノーマル
・アブノーマル
呼気時にはリラックス
吸気時に緊張
呼気時に緊張
吸気時にも緊張
     ⇓
姿勢維持筋に横隔膜
副呼吸筋の活躍
○横隔膜 = 姿勢維持筋?
L)AICパターン
  • 左の腹壁前部の安定性が失われる。 (内腹斜筋、腹横筋など)
  • 横隔膜が脊柱前部の主な安定筋になる。(特に左)
  • 腰椎の右回旋、左肋骨外旋、左骨盤の外旋(前傾)


○L)AICパターンが及ぼす回旋の影響
  • 右重心・右回旋・右シフト
  • 右横隔膜による腰椎の右回旋
  • 左横隔膜の過緊張により胸椎の伸展・肋骨は外旋→ZOAが失われる。
  • 腰椎の右回旋による右側骨盤の内旋(PSIS伸展)→右股関節内旋位
  • 左骨盤の外旋(PSIS屈曲)→左股関節内旋


○人間の身体は左右非対称
  • 右脳、左脳
  • 右目、左目
  • 右肺、左肺
  • 心臓
  • 肝臓、脾臓


○胸郭の於ける非対称
  • 右横隔膜 > 左横隔膜
  • 肝臓のポジションによる右横隔膜の優位性
  • 心臓のポジションによる左の中縦隔
  • 右肺は3葉、左肺は2葉
  • 迷走神経は右(大腸まで)の方が、左(肝臓・十二指腸まで)より長い


関連ページ
右利き・左利きパターンの有意性と歪み
姿勢・呼吸の評価と呼吸運動

(NSCAジャパン 甲信越ADセミナー 2015年10月24日土曜日 「呼吸が変われば姿勢が変わる~DNSとPRIのコンセプトを用いたエクササイズ」 大貫 崇)

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