2017年1月3日火曜日

女性アスリートの三主徴症候群

女性アスリートの三主徴症候群


女性アスリートは食事行動の異常、月経障害、低骨密度、負のエネルギーバランス、相互関連のある他の健康問題リスクが高いことを示している。
これらの健康上における問題の一部は、心臓血管系の危険因子の増加やホルモンバランスの異常、筋骨格傷害、スポーツパフォーマンスの低下などをもたらすことがある。


◌女性アスリートの三主徴症候群
  • 食行動の異常(DE : disordered eating)を伴う場合も伴わない場合もある、利用エネルギー(EA : energy availability)の低下、月経不順、低い骨密度(BMD : bone mineral density)が合わさった症候群。
  • 健康的なレベル(最適EA、正常で定期的な月経周期、適切なBMD)から不健康なレベルまで広範囲にわたり症状が認められ、各主徴の臨床症状が徐々に悪化する。
(2007,American College of Sports Medicine:アメリカスポーツ医学会より)


最新研究)
6ヵ月の炭水化物ータンパク質の補給(1日360kcal,1日54gの炭水化物と20gのタンパク質)による介入が、エネルギー状態を改善し、運動に関連した月経障害を正常な状態に戻すために十分であると証明。


  • 1日に300~500kcal余分に摂取することが勧められる。
  • アスリートが炭水化物の摂取のタイミングを明確に守ることよりも、1日を通して炭水化物摂取量を満たす十分な量を摂取することが筋の増大を最大化する。


栄養素の機能
栄養素
機能
炭水化物
(糖質)
運動中の筋と中枢神経にエネルギーを供給し、脂肪の代謝を助け、タンパク質がエネルギーとして使われることを防ぐ。炭水化物は短縮性筋活動と生物学的機能にとって望ましいエネルギー源である。
タンパク質
細胞内のあらゆる活動の大部分を担い、身体組織と器官の構造と機能および調節に必要である。アミノ酸の長い鎖で構成される。
脂質
ビタミンA,D,E,Kなどの脂溶性ビタミンの吸収を助け、それらの運搬に必要である。利用可能なエネルギーが不足したときにエネルギーに変換される。
水分
細胞、器官および組織における温度調整と身体機能の維持を助ける。ミネラル、ビタミン、グルコースなどの栄養を細胞にいきわたらせ、組織から毒素を除去して尿や糞便として排泄する。水分は呼吸や発汗、消化作用により失われやすい。
身体的、認知的パフォーマンスを維持することに不可欠なタンパク質と酵素の作用を補助する。鉄は主にヘモグロビンやミオグロビンなどのタンパク質に結合して、酸素の運搬や保存の役割を担っている。ヘモグロビン濃度が低下すると最大酸素摂取量も低下する。
カルシウムと
ビタミンD
これらの微量栄養素は骨の健康のために重要。どちらの微量栄養素が不足しても骨のミネラル化が損なわれる。カルシウムは食物またはサプリメントから摂取しなければならないが、ビタミンDは食物源からも摂取される一方、太陽の紫外線に反応して皮膚でも合成される。

体重を減らすための栄養に関する推奨事項

項目
推奨事項
目標設定
1週間で1~2ポンド(450~900g)程度の減量が勧められる。
カロリー制限
1週間に体脂肪を1ポンド(450g)減らすためには、1日500カロリーの制限で十分である。
カロリー消費
余分なカロリーを燃焼することは体脂肪を減らすもうひとつの有効な方法である。カロリー消費量を1日当たり200~500カロリー程度増やすことは、健康に有害な影響を及ぼすことなく、なおかつ減量を達成できる十分なカロリー低下をもたらす。
大量栄養素の摂取

鉄の摂取

カルシウム/ビタミンDの摂取
1日に2,000mgのカルシウムと800mgのビタミンDを補給で、ストレス骨折の発生件数が20%減少。
水分




(Vol 23 Num 8 oct 2016 p16-p22)

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