2018年6月19日火曜日

エルゴジェニックエイドの効果が証明された合法的化合物

  • カフェイン
  • クレアチン
  • 重炭酸塩
  • β - アラニン
  • 一酸化窒素前駆物質

カフェイン

  • 2004年世界アンチドーピング機構が禁止薬物リストからCAFFを削除
  • 推奨されるCAFFの服用量、3-6mg / kg(体重)
  • CAFFは急速に体内に吸収され、5-15分で血中に現れ、摂取後45-60分で最大値に達する。
  • カプセルを摂取しても、飲料として摂取しても、統計的な違いはない。
  • CAFF入りのチューインガムはカプセルより吸収が早いことが示されている。
  • CAFFの半減期は2.5-10時間である。
  • 中等量のCAFEの摂取は体液減少率に全く影響を及ぼさない。したがって脱水速度にも影響しないことを証明している。
  • 多量(>9mg / kg)に摂取した場合に限り、尿量の増加、胃腸障害」、動悸などの望ましくない影響が生じる場合があると思われる。
  • 持久系スポーツでは少量から中等量のCAFE(3-6mg / kg)を摂取したときにパフォーマンスを高める。9mg / kg以上の摂取量では効果は得られない。
  • 少量から中等量のCAFE(3-6mg / kg)が、筋力と発揮パワーを増大させる。


クレアチン

  • 最も一般的なクレアチンの摂取方法は、ローディング期から始まる。最初の3-5日間、1回5gを1日4回、5-7時間おきに摂取。メンテナンス期には、1日3-5gの摂取を維持。筋内のクレアチン濃度が17-20%増加する。
  • 他のプロトコルでは、除脂肪体重1kg当たり1日0.25gの摂取。
  • 1日3gのクレアチンを30日間摂取。
  • 日中1gずつ20回の摂取。
  • クレアチン濃度とインスリン濃度を最高値まで高めるには、クレアチンを摂取して30分後に炭水化物を摂取するのが理想的である。
  • 消化器系や腎臓および肝損傷など、クレアチン摂取と関連づけられる他の副作用は単に逸話的に報告されているにすぎない。
  • 現在のところ、クレアチンはアスリートの健康に関しては安全なエルゴジェニックエイドである。
  • 筋量と筋力、間欠的なスポーツのパフォーマンスの効果を観察できる。


重炭酸ナトリウム

  • 重炭酸ナトリウム、すなわち重曹(SB : NaHCO₃)
  • SBを摂取する最善のタイミングは競技の60-120分前とされ、約400mlの水に溶かして摂取。血液のアルカリ化のピークは摂取後120-150分以内と予想される。
  • 体重1kg当たり0.3gが測定可能な最低服用量である。
  • SBは胃腸障害、下痢、痙攣など広範囲な副作用と関連がある。
  • SBと一緒に食物を摂取すると、同量を空腹で摂取する場合に比べ、胃腸への副作用を減らすことができる。また食物とともに摂取すると、SBの血中濃度の上昇が最も大きくなる。
  • いくつかのスポーツ(水泳、自転車など)パフォーマンスを増強するSBの効果が証明。
  • 間欠的なスポーツ4(テニス、サッカーなど)反復スプリントのパフォーマンスの改善。


β-アラニン (BA)

  • 1日に合計4-6.4gのBAを数週間摂取。通常1日に4-10gを複数回(4-6回)に分けて摂取することで、筋内カルノシンは40-80%増加する。
  • ベースラインに戻るためのウォッシュアウト(摂取休止)期間は9週間かかると思われる。減少率は平均1週間に2-4%で長い時間が必要。
  • BA摂取に関して報告された副作用は、異常感覚症状(ヒリヒリ、チクチクする皮膚の不快感)があるが、摂取量が1日に800mg以下になると軽減され消失する。これらの症状を回避するために、BAは日中何回かに分けて摂取する。(症状は血中BA値のピークに現れる)
  • BAを炭水化物とともに摂取した場合、この異常感覚の症状は観察されない。
  • 持続時間が60-240秒および240秒以上の運動競技に効果があり、持続時間60秒以下の競技では有意な効果をもたらさないことが示唆された。


一酸化窒素 (NO)

  • 一酸化窒素の生成には2つの異なる方法で行われる。
  • 一酸化窒素合成酵素(NOS)に依存する方法としない方法。
  • NOS依存経路のL-アルギニン(L-Arg)は準必須アミノ酸で、またNOの前駆体でもある。
  • L-Argの食事摂取量は1日約4-5gである。
  • L-Argのサプリメントの用量は1日1.5-20gで、期間は1-180日である。
  • 6gのL-Argを摂取した場合の半減期は50-120分で、その排出は摂取量と腎機能によって違いがある。
  • 摂取された硝酸塩と亜硝酸塩は、どちらもNOに還元される。
  • ある種の野菜(ビート、ホウレンソウ、レタスなど)に大量の硝酸塩が含まれているNOは食事から外因的に補給できる。
  • 1日に300-600mgの硝酸塩を1-15日かけて摂取すると、好ましい生理学的効果が生じると報告されている。
  • 硝酸塩を一度に大量摂取すると、血漿硝酸塩は1-2時間でピークに達し、血漿亜硝酸塩は2-3時間でピークに達する。最終的に摂取から24時間でベースラインに戻る。
  • L-Argの最もよく報告されている副作用は下痢である。
  • L-Argは、少ない経口摂取(20g以下)でも、多量の摂取(21-30g)と同じ効果を得ることができ、しかも吐き気や下痢など、20g以上を摂取した場合の副作用は生じなかったことを示唆。
  • 硝酸塩の摂取に関しては、食物栄養源である野菜(主にビートジュース)による摂取が有害である可能性は低く、さらに多量に摂取しても生体に対する副作用をもつ可能性は低いことが報告されている。
  • 急性の血管拡張作用があり、また神経筋と心臓血管系のパフォーマンスの増強とも関連づけられたが、若干の研究では心臓血管系と神経筋系のパフォーマンスに対してプラスの効果があると示されてるが、他の研究ではいかなる違いも認められていない。



Vol 25 Num 4 May 2018 p55-p62

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