高強度の前負荷によるウォームアッププロトコルを現場へ提供。
近年の複数の研究)
高強度で(コントラストトレーニングやコンプレックストレーニング以外の)持続時間の短い前負荷によるレジスタンスウォームアップ後、爆発的なジャンプパフォーマンスが増大。
活動後増強(Postactivation Potentiation : PAP)
一時的な筋パフォーマンスの増強は、活動後増強(Postactivation Potentiation : PAP)として知られている現象であり、筋の収縮活動の結果として、一時的に発揮筋力が増大する状態を指す。
・PAP効果は水泳、自転車競技、陸上スプリント競技などのパフォーマンスに一定の役割を課す。
・競技に備え筋力トレーニングを積んだ女子学生は、鍛錬者の男性と同様に前負荷のウォームアップによるPAP介入の後、トラックスプリントが有意に向上。
・男性上級アスリートのPAP効果を引き出すには
・高強度前負荷ウォームアップのプロトコルを90%1RM
・1レップ3-10セットの等尺性スクワットで構成すると最適。
・女性上級アスリートの場合、
・男性と同様のプロトコルを用いるか
・ハーフスクワットを(パラレル)4RMで4レップ、1セット。
・スプリントやジャンプパフォーマンスなどのPPO(発揮ピークパワー : peak power output)に影響を及ぼすPAP効果を最大化するための最適な回復時間は、
・下半身の場合8-12分である。
現場への応用)
・適切なPAPウォームアッププロトコルを実施後、ジャンプとスプリントのパフォーマンスが向上。
・試合前の標準的ウォームアップセッション後、競技前にハーフスクワットを用いて負荷をかける。
・再ウォームアップの時間を正確に設定。
・競技前の前ウォームアップは8-12分の回復時間を勘定に入れる必要。
・アスリート一人ひとり反応が異なることを認識、指導するアスリートごとに、PPOのための最適回復時間を設定。
dec/2013 Vol.20 Num.10 p38-p43
・適切なPAPウォームアッププロトコルを実施後、ジャンプとスプリントのパフォーマンスが向上。
・試合前の標準的ウォームアップセッション後、競技前にハーフスクワットを用いて負荷をかける。
・再ウォームアップの時間を正確に設定。
・競技前の前ウォームアップは8-12分の回復時間を勘定に入れる必要。
・アスリート一人ひとり反応が異なることを認識、指導するアスリートごとに、PPOのための最適回復時間を設定。
dec/2013 Vol.20 Num.10 p38-p43
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追記
活動後増強(Postactivation Potentiation : PAP)
アスリートごとにPAPプロトコルを実施
- 正の反応者
- 負の反応者
- 無反応者
- 相反反応者
反応タイプ別の可能な対応
反応タイプ
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可能な対処
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正の反応者
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ふさわしいタイミングでPAPプロトコルの利用を続ける
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負の反応者
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別の機会に、休息時間を増やして再評価
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別の機会に、プロトコルの量/強度を減らして再評価
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PAPの様式を変更する
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PAPのプロトコルを中止する
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無反応者
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刺激の追加によって長期的な効果が得られる可能性があるため
ふさわしいタイミングでPAPプロトコルの利用を続ける
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別の機会に、休息時間を増やして再評価
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別の機会に、プロトコルの量/強度を減らして再評価
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PAPの様式を変更する
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PAPプロトコルを中止する
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相反反応者
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別の機会に、休息時間を増やして再評価
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別の機会に、プロトコルの量/強度を減らして再評価
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PAPの様式を変更する
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PAPプロトコルを中止する
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適切に実施すれば、PAPプロトコルはスプリント(5-50m)のパフォーマンスを
一時的に向上させることが可能。
短距離走者の場合、競技会直前のウォーミングアップに
プライオメトリックエクササイズ(デプスジャンプ)を組み込んで
一時的なパフォーマンスの向上を図るとよい。
テクニックの習熟度に問題がなければ
バックスクワット、パワークリーンをスプリント・トレーニングセッションに組み込む。
・適切な回復時間(4-8分間)・高負荷(90%1RM)
Vol 25 Num 3 Apr 2018 p64-p66
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