2014年12月31日水曜日

スポーツ競技選手のコーヒー摂取

中枢神経系興奮薬であるカフェインは、有酸素性と無酸素性の両方の競技選手のパフォーマンスを増強するエルゴジェニックエイドである。


○カフェインは世界で最も広く使われている薬物の1つ

  • コーヒー
  • 紅茶
  • ソフトドリンク
  • チョコレートなど
  • さまざまな食品に含まれている

・カフェインは中枢神経興奮薬で、30年以上パフォーマンス増強の目的で使われ、有酸素性競技無酸素性競技の両選手に同程度用いられる数少ないエルゴジェニックエイドの1つ


有酸素性持久力運動の持続時間を延長すると考えられる。

  • メカニズムは、脂肪組織、筋内貯蔵脂肪からの遊離脂肪酸の移動により脂肪酸化の増大。
  • 主なエネルギー源として用いられる脂肪量が増えると、グリコーゲンの減少が抑えられ、疲労が遅くなる。


短時間運動競技

  • カフェイン摂取による主なエルゴジェニック効果はパワー生産の増大である。
  • 興奮ー収縮連関の促進効果と考えられ
  • それが神経筋伝達と細胞内カルシウムイオンの筋小胞体からの放出に影響する。
  • それに加えホスホリラーゼなど解糖系制御酵素の動態を促進すると考えられている。


○効力

長時間の有酸素性持久力活動中カフェインのエルゴジェニック効果を示した数多くの追加研究によって確認された。


研究)短時間(約5分間)の高強度エクササイズ

  • 3-9mg/kgの用量のカフェイン(体重70kgでコーヒーメーカーのドリップコーヒー約1.5-3.5杯相当)を摂取で有意なエルゴジェニック効果が示されている。
  • 6秒間連続スプリント、パワー系パフォーマンスにも同様の向上(7%、p<0.05)。
  • パフォーマンスに対する効果は、トレーニングを積んだ選手(レクリエーション選手でない)に効果的である可能性。


研究)食物からのカフェイン(コーヒー摂取)、無水カフェインで有意な効果。

  • パフォーマンス増強の程度は錠剤(サプリメント)で摂取したときのほうがより大きいと考えられる。
  • コーヒーのように飲食物として摂取、有酸素性持久力のエルゴジェニック効果は見られないか、弱い効果しかないようだ。
  • カフェインの生物学的利用は、飲食物で摂っても、無水型でも変わらない。
  • コーヒーに含まれる何らかの化合物がカフェインの活性を弱めている。


○有害作用 (カフェインに関する副作用)

  • 不安
  • 胃腸障害
  • 落ち着きのなさ
  • 不眠
  • 振戦
  • 不整脈
  • 利尿作用 (高温気候では暑熱障害の危険増大するおそれ。)
  • 身体性依存の傾向 (摂取をやめると離脱症状が起こる可能性。)
  • 摂取量9mg/kgを上回った場合に副作用の危険性が高くなる。



(NSCA ESSENTIALS ST&C 3edition p220-p221)

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