線維筋痛症の運動処方
線維筋痛症は、関節、筋、腱、軟部組織など全身の様々な構造を侵す慢性疼痛疾患である。
35-60歳の女性に好発する。
最新仮説)
線維筋痛症は中枢神経系の神経科学物質のアンバランスによって引き起こされ、そのアンバランスが疼痛知覚の高まりを伴うと考えられる。
刺激に対する感受性の高まり、異痛症と、疼痛性刺激に対する反応の高まり、痛覚過敏症が発生すると考えられる。
線維筋痛症の診断基準)
- 3ヵ月以上にわたって体軸部の痛みを伴う。
- 腰の上部および下部の広範囲にわたる両側性の慢性疼痛を示す。
- 圧痛点が18ヵ所の内11ヵ所で痛みを感じる場合は線維筋痛症と診断される。(写真)
- 深部痛、電撃的な灼熱痛の訴え、場合によっては疲労感や睡眠障害。
(写真はネットから拾いました)
その他の兆候や症状)
- うつ、不安、認知障害、集中力の欠如、平衡障害、過敏性腸症候群、頭痛、圧痛、こわばり、刺痛と麻痺、むずむず脚症候群など
関連する危険因子)
- 第一度近親者に発症者がいる場合に最もリスクが高まる家族性因子。
- 身体的外傷
- ストレス
- C型肝炎などの感染症
線維筋痛症のための運動ガイドライン
介入方法
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提案される推奨基準
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有酸素性エクササイズ
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頻度:週2-3回
強度:軽度ー中度
時間:20-30分
継続期間:最低4週間
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レジスタンストレーニング
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頻度:週2-3回
強度:40ー80RM
レップ数:1-3セット×5-20レップ
継続期間:12-21週間
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アクアエクササイズ
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頻度:週3回
強度:年齢推定最大心拍数50-80%
時間:30-60分
継続期間:16週間
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日常的身体活動
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頻度:週5-7日
強度:中度
時間:1日最低30分
継続期間:12週間
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ピラティス
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頻度:週3回
強度:クライアントの機能レベルに応じて決定
時間:60分
継続期間:12週間
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太極拳
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頻度:週2回
強度:クライアントの機能レベルに応じて決定
時間:60-90分
継続期間:12週間
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ヨガ
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頻度:週2回
強度:クライアントの機能レベルに応じて決定
時間:60-90分
継続期間:8週間
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全身振動トレーニング
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頻度:週3回
強度:クライアントの機能レベルに応じて決定
時間:45-60秒×数回
レップ数:6回
継続期間:6-12週間
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Vol 22 Num 5 Jun2015 p61-p67
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