リ・コンディショニング
代表的傷害のクライオ・セラピー
(スランプ)
医療 ←→ 競技
スポーツ
※体力・身体機能体調 ※トップパフォーマンス
などが最も低下 ⇓
〇不調の原因
- 傷害(突発性・マイクロトラウマ)
- 腫脹
- 疼痛
- 神経系反射抑制 ⇑
- 疲労
- 柔軟性欠如(関節可動域 ⇓)
- 筋委縮(サイズ左右差 5mm Ok , 1cm But )
- その他
〇クライオキネティックス
- Cryokinetics = cryo + kinetics
- cryo = 冷却、アイシング
- kinetics = 運動、動かす、エクササイズ
「動かす」ために「冷やす」
〇アイシングを積極的活用
- 応急処置
- リハビリテーション
- リ・コンディショニング
e.g,
- クライオサージュリー(冷やす方法を手術手段として使う)
- 手術的補助手段(ピアスの穴を開ける)
- その他
〇必要性 (水さえあれば)
- プロでもアマでも
- 練習中でも試合前でも
- グランドでも体育館でも
- ホームでも遠征先でも
- 高価な器具があって無くても
- 専属トレーナーがいてもいなくても
〇今回のポイント
- 何を目的に冷やすのか?
- あくまでも選択しのひとつ
- ckx / cst を選択する理由
- ckx / cst の基本的なプロトコール
- 実践にあたっての注意点
- 現場での実践する際のヒント
〇実践するは自分自身
エクササイズ
電気刺激 ストレッチ
ホットパック 超音波
アイシング
〇冷却により何が起きる?
- 局所温の低下
・20分で12-13℃まで低下 (皮下組織)
・30分で(冷却20分)で7-8℃低下 (20分冷却後、深さ2-3cm)
- 細胞の新陳代謝の低下 → 応急処置
・10℃下降すると代謝率の低下
- 炎症の緩和
- 疼痛の軽減 → リ・コンディショニング
- 血液循環への影響 (10分くらいで血管収縮、それ以後拡張)
- 筋スパズムの軽減 → リ・コンディショニング
- 組織のスティッフネスの増加 (筋・関節が一時的に硬くなる)
〇炎症反応の悪循環
腫脹 ①→ 疼痛 ②⇄③ スパズム
④↓ ↓⑤ ↙⑥
筋力、ROM、機能の低下
↓ ↓⑦ ↘⑧ (原因の究明)
↓⑩ 筋委縮 ↔⑨ 代償性以上
↓ ↓⑫ ↓⑪
パフォーマンス低下、オーバーユース
〇目的
- 冷却による痛みの軽減
- (無痛覚) 反対 無感覚
- エクササイズによる局所の血行促進
- エクササイズによる神経、筋協調性の早期賦活
〇なぜ疼痛が除去、軽減?
- 痛覚線維での神経伝達を遅延、低下
- 自由神経終末の興奮性を低下
- 対立刺激として働く
- エンドルフィンを放出
- 脊髄神経単位を抑制
〇効果
- スポーツ活動への早期復活
- 疼痛 ⇓ = エクササイズ ⇑
- 血液循環 ⇑
- 腫脹 ⇓ ”Milking Action”
- 関節可動域 ⇑
- 神経系反射抑制 ⇓
- 筋委縮 ⇓
〇痛むのに無理をすると
- 腫脹 ⇑
- 患部周囲筋群の反射抑制 ⇑
- 関節可動域 ⇓
- 筋委縮 ⇑
〇固定期間が長期に及ぶと
- 組織の癒着 ⇑
- 関節可動域 ⇓
- 神経、筋協調性 ⇓
- 筋委縮 ⇑
〇方法、手順
1. 患部アイシングの用意
2. 無感覚になるまでアイシング
・通常は12-20分間
3. エクササイズ
・感覚が回復するまでの2-3分間で
・Active(無負荷) → Resistive(荷重)
・漸増負荷(可動域 / 強度 / スピードなど)
4.アイシング
・2回目以降は3-5分間
5. エクササイズ
・エクササイズは5セット程度
6. 4-5の繰り返し
7. アイシング 20分間 (クールダウン)
〇温度低下率較差が生じる要因
- 適用前の身体と冷却用具の温度差
- 身体の熱再生能力
- 冷却用具の熱容量
- 冷却用具のサイズ
- 冷却用具と接している身体部位の面積
- 適用時間
- 個人差
〇クライオストレッチ
- Cryostretch = cryo + stretch
- cryo = 冷却、アイシング
- stretch = 伸張、伸ばす
「伸ばす」ために「冷やす」
アイシング + ストレッチング
- 大部分の筋肉性傷害(肉離れ、打撲など)は結果として何らかの筋の痙攣や拘縮を引き起こす。
- また軽度の肉離れの多くは、筋線維断裂ではなくむしろ筋が痙攣している状態である。
〇目的
- 冷却による筋スパズムの軽減
- 関節可動域の早期賦活(とうかつ)
〇効果
- 感覚入力 ⇓
- 伸張反射 ⇓
- 疼痛 ⇓ 、筋スパズム ⇓
- 筋弛緩継続
- 関節可動域 ⇑
- 早期の可動性
- CKXとの併用
〇漸増負荷エクササイズ例
※足関節捻挫後の場合 (#1)(重症)
1.底屈 / 背屈 (自動、無負荷)
2. ストレッチング
3. 座位でのカーフレイズ
4. 底屈 / 背屈 (徒手抵抗)
5. 底屈 / 背屈 (チューブ)
6. 立位でのカーフレイズ
7. バランス訓練
8. タンデム歩行 (踵、つま先歩行)
・歩幅 / スピードを徐々に増幅
・歩様をチェック(大鏡などを利用)
9. 横歩き / 後歩き
10. ジョギング
・直線 → S字 → ジグザグ
11. ダッシュ
・直線 → s字 → 8字
12. カッティング
※足関節捻挫後の場合 (#2)(軽症)
- バイク
- ストレッチング
- 歩行
- 自重負荷 フルスクワット
- その場足踏み
- その場 ニーアップ
- ニーアップのまま前進
- 徐々にスピードアップ
- ボックス、ステップアップ
- 縄跳び
- サイドステップ
- シャッフル(ステップドリル、SAQなど)
- バウンディング
- 競技基本動作 (練習部分参加)
- 競技応用動作 (ミニゲーム形式参加)
- フル参加
〇再発予防目的では
- アイシング
- 「ターゲット型」ウォームアップ
- ストレッチング
- 「再教育 / 促通型」ウォームアップ
- 全身ウォームアップ
- 練習
- アイシング・ブレイク (5分間)
- 「再教育 / 促通型」ウォームアップ
- ストレッチング
- 練習再開
〇成功のための5C
- Communication
- Controlling
- Creativity
- Consistency
- Chance
〇Communication :コミュニケーション
- 担当医師、チームドクター
- 適応
- ゴール設定
- 再評価、途中経過
- 選手本人
・痛みなどの炎症反応
・ゴール設定
- 監督、コーチ
- ゴール設定
- 再評価、途中経過
〇Controlling :抑制
炎症反応
・痛みは?
・腫れは?
・機能障害は?
プログラムの修正、変更
選手の自己管理
・日常生活(通学、通勤、就労、授業中、就寝前)
・入浴・飲酒
〇Creativity :創造工夫
- 「根性」だけではダメ
・選手のパーソナリティーの適応
・「押すべきか」「引くべきか」?
- 日々のメニューに変化を
・機能解剖(okc,ckc)の理解
・同等の目的達成のために違うエクササイズ
・トレーナー自身の「引き出し」を増やす
- Functional なメニュー設定
・ゲーム性
・ボールを使用
〇Consistency :持続性、首尾慣
- ゴール設定
・最終目標
・短、中期目標
・その日の目標
- 選手個人でもできること
・日常ケア
・単独でも安全なエクササイズ
〇Chance :好機、リスク
- 反復による学習効果
・完全に習慣化するまでまめにチェック
・予定通りに進むことは誉めて積極的に
・次回の予習、予告
- リスクを回避する勇気、決断力
・「引き際」を予め仮定
・痛いときはすぐに「撤退」
・患部外トレーニングで精神面のケア
〇タイミングの見極め
- 松葉杖歩行(免荷)から歩行(全荷重)
- 関節可動域
〇歩行に必要な条件
※平地で自由歩行をするためには
- 足関節(距腿関節)可動域30°
- 背屈 10° + 底屈 20°
- 距骨下関節にも適度な「遊び」
- 母趾(中足趾節”しせつ”間関節)背屈 60°
- 歩行からジョギング
・その場
・ニーアップ
- ジョギングからダッシュ
- ダッシュからカッティング
・バンディング
〇漸増負荷エクササイズの例
#2 と同じ
2,6,7,8,13
〇現場でのポイント
- 冷却時間
- アイスパック
- スラッシュバケツ
- 凍傷の危険性
- 冷却時にはトウキャップ
- 何処を冷やす
- 電気刺激兼用
- ウォームアップとしてバイク
- シューズ着用せず素足で
- アイシング・ブレイク
- バイオフィードバック
・ROMエクササイズ時の指のタッチ
・大鏡の前でフォームをチェック
- リハビリプログラムの選択
・荷重 / 非荷重
・ckc / okc
・Functional
〇正常機能回復のために
- 日常生活動作のチェックと教育
- 足関節捻挫後には距骨下関節のモビライゼーション
- 軟骨損傷 Drによる局麻酔テスト
- 足関節捻挫後にはアキレス腱のストレッチング
- 膝MCL捻挫後にはハムストリングスのストレッチ(MCL :膝内側側副靭帯)
- 膝MCL捻挫後にはアーチサポート
〇事実上の禁忌事項
- 皮膚に直接、1時間以上の適応
- 以下の状態のいずれかへの適応
- レーノー現象
- 寒冷地過敏症(不整脈)
- 心疾患
- 局所循環障害
〇注意点
- 早期に専門医を受診する
- 選手の将来の方向性やおかれている立場にも理解を示す
- 患部の状態が良好でも活動前後のケアを怠らない
- 患部以外にも効率よくストレスを分散するためにも関連している身体部位のトレーニングを継続する
- 選手の自主性を重んじる
〇なぜ「クライオ」なのか?
- 安価
- コンビニの普及
- 「いつでも、どこでも」
- 汎用性
- 教育ツール
- コミュニケーション・ツール
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