- Logan & McKinney が最初に提唱したセラーペ効果は、身体がコアを通じて力を伝達する際に用いる力発揮パターンに関して、一定の知見を提供している。
- セラーペ効果はあくまで複数のシステムが関与するモデルの一要素にすぎないことを明確に示している。
Logan & McKinney が最初に提唱したセラーペは
(菱形筋、前鋸筋、外腹斜筋、内腹斜筋)
大きなスカーフを首の後ろに巻きつけ、身体の前でクロスさせて、ベルトの下にたくし込んだような形状。○アンテリアおよびポステリアオブリークシステム
(身体前面と背面を斜めに走る系)
(内転ー腹筋膜、腹直筋、腹斜筋群、股関節内転筋群)
(広背筋、胸腰筋膜、大殿筋、仙腸関節)
筋と関節の動きによって制御される螺旋状の動作系の概念。斜めの系と回旋軸について言及し、これらを「促通のパターン」と述べている。
○オブリークスリング
Vleemingは身体前面と背面のオブリークスリングと呼ばれる系の研究において
力が骨盤の全面と背面を交差するように伝わるという知見を明らかにしている。
セラーペを構成する筋群は、螺旋状に連なって配列しており、筋膜がそれらの筋群と腱をつないでいる。
これらの筋群と腱の多くは骨に直接つながっているのではなく、互いにつながり合い、ここの筋の長さをはるかに超える経路を形成して力を伝達している。
○アンテリアセラーペおよびポステリアセラーペ
- 身体運動においてパワーが全身を伝わることを説明する概念である。
- このモデルは、最初の螺旋状のセラーペの概念を発展させ、上下半身の前面と背面まで含めたものである。
- 斜めがけのリボンのようなセラーペは、上半身前面の胸筋群、および背面の菱形筋群のところでクロスしている。
○アンテリアセラーペ
(右の股関節屈曲筋群、右の内転筋群、右の内腹斜筋、左の外腹斜筋、左の前鋸筋、左の菱形筋、右の菱形筋、右の前鋸筋、右の外腹斜筋、左の内腹斜筋、左の内転筋群、左の股関節屈曲筋群)
アンテリアセラーペは、リボンを背中に巻きつけ、身体の前でクロスさせたような形状をしており、これは前面のコア筋群を使って身体が弓のように機能することを示している。
○ポステリアセラーペ
(右の腓腹筋/ヒラメ筋、右のハムストリングス、右の殿筋群、左の広背筋、左の胸筋群、右の胸筋群、右の広背筋、左の殿筋群、左のハムストリングス、左の腓腹筋/ヒラメ筋)
ポステリアセラーペは、リボンを身体の前に巻きつけ、後ろでクロスさせたような形状をしており、これは背面のコア筋群を使って身体が弓のように機能することを示している。
○アンテリアセラーペおよびポステリアセラーペ・システム
アンテリアセラーペおよびポステリアセラーペ・システムは、身体が運動連鎖する多くのセグメントをどのように統制して回旋運動を生み出しているのか、その仕組みに対する統一的な理解をもたらすものである。
セラーペ筋群は螺旋状のシステムを形成し、さらに筋膜などの受動的な弾性組織の補助を受けることで、周期的動作のパワーとスピードを発揮する動作効率を高めている。
コアのスティフネスは、球関節より遠位で生み出されたパワーをコアの反対側の球関節に伝達し身体を鞭のように機能させる。
Vol 23 Num 8 oct 2016 p25-p31
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