2018年4月15日日曜日

ホスファチジルセリン (Phosphatidylserine)

ホスファチジルセリン (Phosphatidylserine)は細胞膜の内層にみられる自然生成のリン脂質であり、細胞統合性に欠くことのできない物質である。


ホスファチジルセリン(PS) の利用は
  • アスリート集団
  • 特にオーバートレーニングになりやすいアスリート
  • かつてオーバートレーニングを経験したアスリートに最適
PSの効果
  • コルチゾールを下げ
  • テストステロンを高め
  • テストステロン-コルチゾール比を改善
  • 外因性ブドウ糖の補充がなくても脳へのブドウ糖の供給を増やして認知力を高める
  • 抗酸化物質として作用
  • 正確さの向上をもたらす
  • 回復を促進
  • 細胞の完全性を強化
  • 疲労困憊までの時間を延長
  • 免疫系を強化。

PSの初期の研究は、ウシ由来のB-PSを用いたが、狂牛病の伝染リスク以来、大豆から抽出したS-PSが使われている。
最近では、オキアミ由来のK-PSに関する研究も行われた。


国際スポーツ栄養学会(ISSN : International Society of Sports Nutrition)は運動後の介入として800mgのPSサプリメントの補給を推奨。

PSはコレステロールを多く含む食品、例えば全卵、肉、内臓などから摂取出来る。

現場への応用
  • 多量の800mg/日のPSを投与の必要がある
  • 少ない摂取量100-300mg/日を用いた場合は、より長期にわたり類似の効果を提供できる可能性が高い
  • 300mgのPSを1-2ヶ月使用した後、メンテナンス期として100mg/日を使用
  • 2-3週間をローディング期として1日800mgを摂取、メンテナンス期には1日200-400mgを摂取

1日を通じて複数回服用する方法、服用量の半分はワークアウトの直後に摂取し、残り半分を就寝前または起床時に、ワークアウトの時間によって調節して摂取


1回で全量を摂取した場合と、同量を分けて摂取した場合のどちらが有益であるかはまだ不明で今後の研究が待たれる。


PSのウォッシュアウト期間はまだ解明されていない。
PSは体外からの摂取を止めてからも、なお利益を提供し続ける可能性がある。

Vol 25 Num 3 Apr 2018 p42-p48

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