2019年7月14日日曜日

ディープスクワットのバイオメカニクス

○ディープスクワットのバイオメカニクス


  • 脛骨をできる限り垂直に保ち、脛骨大腿骨の剪断力を制限する。
  • 足関節を十分に背屈させずにディープスクワットを行うと、股関節や腰椎および体幹の屈曲増大などを含む代償運動が起こる

歴史的)

  • ディープスクワットは膝関節の弛緩性を増大させ、剪断力と圧縮力を増大させると指摘されてきた。

現在の研究)

  • 剪断力をもたらす脛腓関節(脛骨外側と腓骨頭の間の平面関節)の前部移動は、大腿四頭筋とハムストリングスの筋構造の共縮により、スクワットの深さが増して膝の屈曲が60°を超えるにつれて減少すると考えられる。
  • これはスクワットの深さが増すと、膝の剪断力が増大するよりむしろ減少することを示唆。
  • スクワット中に前十字靭帯(ACL)が被る最大の前部剪断力は、0-60°の屈曲角の間でみられ、約95Nである。比較すると通常の歩行活動でACLに働く力は約303Nで、この値は報告された負傷の値からかけ離れている。


  • 脛骨大腿骨関節と膝蓋大腿関節における圧縮力はスクワットの深さが増すと増大すると考えられるが、脛骨大腿骨関節の圧縮力が増大するにもかかわらず、ディープスクワットの結果として半月板や軟骨組織の退行変性の増加は認められない。
  • 膝蓋骨のオッド面との接触と大腿四頭筋のラッピング効果により負荷の分散が促進され、結果として膝蓋大腿関節において増加した膝蓋大腿の力は90°より大きな角度では減少する。
  • スクワット中の膝蓋大腿関節のいピーク圧縮力は、下す局面の膝関節屈曲が85°で4,548N、上げる局面の膝関節屈曲が95°で4,042Nである。


Vol 26 Num 4 May 2019 p14-p15

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